江戸期を代表する才人平賀源内も認めた一流品 “天草陶石”
「陶器土、右之土天下無双の上品に御座候。」と平賀源内が唱えた、天草陶石。
高品位の陶石の発見は17世紀中頃で、現在、有田焼、清水焼 等の主原料として使用されています。海外にも輸出され、国内の陶石生産量の約8割を占めています。
天草はもともと天領であったため藩窯的なものではなく、各村の庄屋たちが村民の自活のために磁器や陶器作りが根本にあったため、長い間、他の産地のようにブランドとして表舞台に出ることが少なかったといわれています。
平成15年に日本の伝統工芸品の認定を受け、現在9の窯元で個性的で多彩な陶磁器が焼かれています。
天草の白磁を全国、そして世界へ発信したい。そうすることで天草全体の観光振興にもお役に立てるのではないか。すなわち「陶石の島」から「陶磁器の島」への展開を図ることが私たちのめざす道なのです。
このような天草陶石研究開発推進協議会の熱い思いをもって、2015年に、天草陶石を世界に発信するためにブランド「Amacusa」を立ち上げました。「Amacusa」は天草のキリシタン文化の風土と歴史をモチーフに、グーテンベルグ活版印刷機で印刷されたイソップ物語のポルトガル語ローマ字表記を使用しています。
アーティスト古門圭一郎氏の監修の元、窯元の技術や素材の可能性を引き出すとともに、第一弾として開発されたキャンドルホルダーは、開発の段階からTHE CONRAN SHOPとのマーチャンダイジングも取り入れ、世界に評価され、選ばれる商品づくりを進めています。今回開発されたMUSOシリーズは、天草のキリシタン文化へのオマージュと新たなフォルムの追求、陶石本来の白を活かしたデザインに仕上げました。高品質な陶石のみを使用して作られたMUSOシリーズは、今までの天草陶磁器には無いモダンなフォルムで、現代の暮らしにマッチしたアイテムです。
MUSOシリーズは昔から外国と繫がりがある天草という地域の特徴を活かし、新たな文化の発信地として新しい天草の表現を目指しています。
江戸期を代表する才人平賀源内も認めた一流品 “天草陶石”
天草陶石が発見されたのは、かなり古く元禄の時代といわれています。正徳2(1712)年頃、肥前の製陶業者に天草陶石を供給したのが、製陶原料として使用した始めとされています。その後佐賀、長崎方面に供給され全国に広まっていきました。
明和8(1771)年には平賀源内が長崎奉行に提出した『陶器工夫書』で「天下無双の上品」と賞賛しました。
270年以上の歴史と伝統に育まれた磁器の技法や技術
天草島内では延宝4(1676)年には内田皿山で磁器が焼かれていることが古文書からわかっています。また宝暦12(1762)年には高浜村の庄屋上田家も焼き始めていることが記録に残されています。
それから時代ごとに技術を革新し、細密な山水や人物など精巧な染付の作品がつくられました。原料や製法・窯道具など江戸時代から伝わる技術や技法も受け継がれており、現在も身近な生活の器として使われています。
天草は国内の陶石生産量の約8割を占め、質量ともに日本一。
豊富で上質な陶石から焼かれる天下一品の白磁。
豊富で良質な天草陶石は、砕きやすく形成しやすいです。粘土を混ぜなくてもそのまま焼き上げるだけで美しい白磁に生まれ変わります。高い強度で製品は硬く、仕上がりの色は濁りがなくて美しいのが特徴です。天草産陶石100%の透明感のある純白やいすの木を使った木灰釉による温かみのある風合いの作品が長年愛されています。
01 Amacusa MUSO/Vase cover ー花器ー H225×W70mm
ペットボトルに水を張り、花器カバーをかぶせて花を生けます。
お手入れはペットボトルを交換するだけで簡単に使用できます。
02 Amacusa MUSO/Cup ーカップー H90×W85mm
03 Amacusa MUSO/EdgeDish ーエッジ皿ー
H12×W210mm H12×W230mm